『Voice 2025年6月号』

2021年の役員会で決まりかけていたEV増産の設備投資を止めた豊田社長(当時)。


あんまり見ないTVですが、トヨタもEV車のCMは見入ってしまいました。

トヨタのEV車がずらーっと集まって自己紹介しているんですが、それがPHEV(プラグインハイブリッド車)、BEV(電気自動車)、FCEV(燃料電池自動車)、HEV(ハイブリッド車)といろいろ並んでいます。

私が自家用車を持たなくなってはや15年近く経ちます。

こんなにEV車にバリエーションがあるとは知りませんでした。


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書名:『Voice 2025年6月号』

著者:Voice編集部

出版:PHP研究所(2025.05)

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本誌はPHP研究所が発行する月刊の総合論壇誌。

本号の特集は

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特集:トランプ・ショック、日本経済の勝ち筋

特集:教育現場の「光と影」

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です。


「特集1:トランプ・ショック、日本経済の勝ち筋」で池田直渡氏(モータージャーナリスト/自動車経済評論家)が寄稿する「脱炭素に勝つ自動車産業「伝家の宝刀」」。

トヨタがこれまで取ってきたEV戦略を解説します。


<本文引用>------------

さて、ではEVシフトを短距離走だと思って走った人たちがどうなったかと言えば、かなり厳しいことになっている。


・フォルクスワーゲン:少なくともドイツ国内の三つの工場を閉鎖する発表をしたが、それを組合に阻まれてリストラもできずに立ち往生

・アウディ:ブリュッセル工場を閉鎖

・ノースボルト:破綻(同社は欧州系メーカーが共同で立ち上げたスウェーデンの車載電池メーカー)

・ポッシュ:EVの販売不振で五五○○人のリストラ

・シェフラー:歌州の二工場の閉鎖と四七○○人の削減

・ZF:最大一万四○○○人の削減を発表

・メルセデスベンツ:二〇三〇年の完全EV化を撤回

・ボルボ:二〇三〇年の完全EV化を数回

・ステランティス:二〇二六年までに三六車種のHEV(ハイブリッド車)を投入すると方向転換

・フィスカー:二○二三年のローズタウンやプロテラに続いて破綻

・ルーシッド:赤字の泥沼

・リビアン:右に同じ

・フォード:米国ミシガンの電池工場の計画縮小に加え、ドイツとイギリスで四○○○人規模のリストラを発表


「そうか欧州の話か」と呑気にしてもいられない。報道によれば、中国では二〇一八年以降、四〇〇社以上のEVメーカーが破綻や撤退という深刻な状況である。(本文より)

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一時期トヨタは「EV戦略が遅い!」なんて言われていましたが、これらの企業のようにはなっていません。

トヨタでは何が起きていたのか?


<本文引用>------------

日本だって瀬戸際にあったのだ。筆者は最近トヨタの幹部から衝撃的な試算を見せられた。じつは、二〇二一年の役員会でトヨタはEV増産の設備投資が決まりかけていた。それを止めたのは豊田章男社長(当時)ただ一人である。すでにEVシフトに方向性が決している役員会で「本当に実需はあるのか?」と問い続けた。

周囲の人びとにしてみれば「内燃関禁止に大勢が決した以上、EVにシフトするしかない。社長は本当に意味がわかっているのだろうか?」と話しく思っていたそうである。

主要国が一度ルールを決めたらそれに従うしかないと考える人たちには、EVシフトは疑う余地がない。しかし豊田社長は、法や制度がどうあろうが、最終的に売れる商品を決めるのは消費者であることを肌身に染みてわかっていた。内燃機関の販売禁止は、一九二〇年代の米国の禁酒法と同じように見えていたのだと思う。いかに法律で決めようができないことはできない。

もしもこのとき、豊田社長が、EV投資を止めなかったらどうなっていたかを、トヨタの試算で見てみると背筋が凍る思いだ。(本文より)

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うーん、まさに経営トップの英断だったんですね。


「特集2:教育現場の「光と影」」に戸野塚厚子氏(宮城学院女子大学教育学部教授/同大学院健康栄養学研究科教授)が寄稿する「独自路線をゆくスウェーデンの学校教育」。


<本文引用>------------

①デジタル化の再考――手にとって読むことの大切さ

スウェーデンでは二○二二年の政権交代を機に、紙媒体の学習材が再評価されています。世界がデジタル化へと傾斜しているなかで、紙に印刷した本の重要性を強調し、学校のデジタル化へ警鐘を鳴らしました。

学校担当大臣になったロッタ・エドホルムは、タブロイド紙「EXPRESSEN」(二○二三年十二月二十二日)に、教育省からのディベート記事を掲載しました。「学校におけるデジタル化は実験だ」と題するその記事で大臣は、「デジタル化は、量的にも質的にも大きな実験だった」と述べています。デジタル化は人生や社会をよりよくする側面があるとしたうえで、それらが無批判に学校に導入されていることへの懸念、手にとって使える本にはiPadに置き換われない良さがあると主張していました。さらに、研究者や専門家が、知識の発達には紙の教科書を含むアナログの学習材が重要である、としていることも紹介しました。そして大臣は、「六歳未満のこどものデジタル学習を止める計画」へと舵を切りました。

二○二三年、スウェーデンは学校法において、紙に印刷されたものを「学習本(Lärobook=日本では教科書)」とすると定義しました。そして、同法は、デジタル・紙にかかわらず授業のために準備されたものを「学習材(Läromendel)」と呼ぶ、と定めました。(本文より)

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何かと礼賛されることが多いスウェーデン。

日本ではデジタル端末の浸透が進んでいますが、スウェーデンでは紙に回帰しているんですね。


「特集2:教育現場の「光と影」」に松岡亮二氏(龍谷大学社会学部准教授)が寄稿する「「授業料無償化」で教育格差は縮まらない」では、教育無償化の効果を検証します。


<本文引用>------------

制度変更の際、すべての家庭が同じ戦略で対応するわけではない。拙著(『教育格差』)に多くのデータを示したように、高SES層は教育投資に積極的である。この傾向は拙著刊行後のデータでも確認できる。たとえば、文部科学省の委託研究として実施された二○二二年の全国調査を見てみよう(調査の詳細は、中村高康・刈谷剛彦編『コロナ禍と日本の教育』〈東京大学出版会〉参照)。

SESは社会的、経済的、文化的な特性を統合した多面的な指標だが、ここでは理解し易いように親の学歴に着目し、大卒を、父親は四年制大学以上、母親は短大以上と定義する。中学三年生の親を対象としたデータを分折すると、まず、親大卒者数別の世帯年収格差が浮かび上がる(両親非大卒層五八一万円・親一人大卒層七一五万円・両親大卒層九三三万円)。そのうえ、「多少無理をしてもお子さんの教育にはお金をかけたい」に「とてもあてはまる」あるいは「あてはまる」と回答した割合を確認すると、両親非大卒層四六%・親一人大卒層六一%・両親大卒層七三%である。親大卒者数が多い家庭ほうが、高年収かつ積極的な投資意向をもつ傾向を意味する。所得制限を撤廃した無償化は、両親大卒のような高SES層の経済的負担を軽減することになるので、私立中学受験とそのための通塾、留学、高校受験対策などに資金を回すといった受験の早期化と教育の過熱化が進む可能性がある。(本文より)

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うーん、ますます格差が広がりそうですね。


<本文引用>------------

拙編著『教育論の新常識』(中公新書ラクレ)の各章と一万文字の「あとがき」に詳しいように、日本の教育行政は基本的に「やりっ放し」である。十分なデータで実態の詳細を把握していないし、実践と政策の大半の効果は科学的に実証されていない。無償化を政治的決定として実施するのであれば、定期的にデータを取得して各学校の「生徒の成長」を可視化すべきだ。

データ取得の際、広報戦略の「切磋琢磨」のような不毛な競争を避けるためにも、多様な指標の計測が求められる。主要科目だけではなく全教科の学力、進学や就職などの進路の詳細、出席率、中退者率、部活の実績、体力、睡眠時間を含む健康状態、いじめ被害経験、幸福感、非認知能力などを含む包括的な項目が望ましい。卒業後も十年や二十年といった期間で追跡すれば、長期的な高校教育の影響を検証できる。(本文より)

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教育DX。

デジタル端末やツールを配るだけではなく、その効果の検証に活かしてもらいたいものです。


◆頭の中でシンクロした他の完読作品

『Voice 2025年6月号』 

『教育格差』

『ほんとうにいいの? デジタル教科書』 

『スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む :日本の大学生は何を感じたのか』 

『シン読解力: 学力と人生を決めるもうひとつの読み方』

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』  

『AIに負けない子どもを育てる』 



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■読んだきっかけ:『Voice 2025年5月号』Voice編集部

■読んで知ったこと:2021年の役員会で決まりかけていたEV増産の設備投資を止めた豊田社長(当時)。

■今度読みたくなった作品:『Voice 2025年7月号』Voice編集部

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VOICE(ヴォイス) 2025年 6月号 - 『Voice』編集部
VOICE(ヴォイス) 2025年 6月号 - 『Voice』編集部












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