『ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11』

メンタル・アベイラビリティとフィジカル・アベイラビリティの組み合わせ。


「ブランド」。
なんか当たり前のように使っていますが、改めて調べてみました。
ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財・サービスと区別するためのあらゆる概念で、そこには商品名、ロゴ、キャッチフレーズなど目や耳に直接訴えてくるものはもちろん、顧客体験なども含まれるんだそうです。
こうした「ブランド」といった企業や商品・サービスの価値やイメージを顧客に認識してもらい、他社と差別化することを目的とした活動を「ブランディング」というのだそうです。

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書名:『ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11』
著者:バイロン・シャープ(著)、前平謙二(訳)、加藤巧(監訳)
出版:朝日新聞出版(2018.07)
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オーストラリア大学の教授(パイロン・シャープ)、南オーストラリア大学のアレンバーグ・バス研究所マーケティングサイエンス准教授
(ジョン・ドーズ)、アレンバーグ・パス研究所の准研究教授。(ジェニー・ローマニアック)、ロンドンサウスバンク大学アレンバーグセンターのディレクター(ジョン・スクリーヴェン)。
翻訳はブランンディングに関する翻訳実績のある翻訳家(前平謙二)、監訳は上海江崎グリコの総経理(加藤巧)。
最新にデータに基づいて導き出したブランディングの法則を解説します。

タイトルにある11の法則とは何か?

<本文引用>------------
1.ダブルジョバディの法則 : マーケットシェアが低いブランドは購買客数も非常に少ない。またこれらの購買行動的ロイヤルティも態度的ロイヤルティもやや低い。第2章を参照。
2.リテンションダブルジョバディの法則 : 顧客を失わないブランドはない。その損失はマーケットシェアと比例する。大きいブランドほど多くの顧客を失うが、その損失は顧客基盤全体と比較すると小さい。第3章を参照。
3.パレートの法則(60/20) : ブランドの売り上げの半分強がそのブランドの上位20%の顧客によってもたらされ、残りの売り上げが下位80%の顧客によってもたらされる(通常のパレートの法則の80/20にはならない)。第4章を参照。
4.購買行動適正化の法則 : ある一定期間中にヘビーバイヤーだった消費者の購買は、その後減少する。またライトバイヤーの購買量は増え、ノンバイヤーがバイヤーになることもある。この平均への回帰現象は、購買の行動が実際に変化しなくても生じる。第4章を参照。
5.自然独占の法則 : マーケットシェアが大きいブランドほど、そのカテゴリー内の多くのライトバイヤーを引きつける。第7章を参照。
6.顧客基盤が類似する : 競合ブランドの顧客基盤と自社ブランドの顧客基盤は非常に類似している。第5章参照。
7.ブランドに対する態度と思いが行動的ロイヤルティに反映される : 消費者は、自分が使用しているブランドほど知識が豊富で多くを語るが、使用しないブランドについては考えることも語ることも非常に少ない。従って、ブランドに対する態度を評価する調査を実施すると、大きいブランドはロイヤルティの高いユーザー多く含むので常にスコアが高い。
8.ブランド使用体験が消費者の態度に影響を与える(私もママが好きあなたもママが好き現象) : ブランドは異なっても、それぞれの購買客がブランドに対して示す態度と認識は非常に類似している。第5章を参照。
9.プロトタイプの法則 : 製品カテゴリーを的確に説明するイメージ属性は、そうでない属性と比較して、評価が高い(ブランドとの関連性が高い)。第8章参照。
10.購買重複の法則 : ブランドの顧客基盤は、マーケットシェアに応じて競合プランドの顧客基盤と重複する(大規模ブランドとの顧客共有率は高く、小規模ブランドの顧客共有率は低い)。もし、一定期間内にあるブランドの購買客の3-%がブランドAも購入するとすれば、どの競合ブランドもその購買客の30%がブランドAを購入する。第6章を参照。
11.NBDディリクレ : カテゴリー内の購買客の購買頻度や購入ブランドについて、その傾向にどのような差異が生じているかを明らかにする数理モデル。このモデルが前述の法則の多くを正しく解説し説明してくれる。ディリクレはマーケティングの数少ない本物の科学的理論の1つだ。この数理モデルおよび関連するソフトウェアについての詳しい情報は、アレンバーグ・バス研究所のウェブサイト<www.MarketigScience.info>に掲載している。(本文より)
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「ダブルジョバディの法則」
以前読んだ『戦略ごっこ ―マーケティング以前の問題』 で教えてもらった概念です。


「ブランドセイリエンス」(Brand Salience)。
消費者の心の中で特定のブランドがどれだけ目立ち、記憶に残りやすいかを示す概念です。

<本文引用>------------
広告の中には「ぜひ買ってみたい」や「面白そうだ。調べてみよう」といった反応を引き出すことで、あおっている広告がある。簡潔で合理的で説得力のあるメッセージを持つ広告もある。例をあげると求人広告、名簿広告、新製品広告、新聞広告、チラシ広告などである。通常、名簿広告や求人広告は情報が多いので、簡潔で、読者の興味に沿うように編集されている。たとえば、給湯器の修理の広告には、「水道業者X社はその日のうちに修理に来てくれる」という情報さえあれば十分だろう。しかし製品の買い替えを促すためには、どのような製品が売りに出されているかを知らせる必要がある。新しい製品への強い興味が好む。もともと人間には合理的な情報を提供する広告を受け入れる本質的な感情が備わっている。
しかし率直な感情表現をすれば、説得力のある主張がより強くなる。たとえば、以下の2つを比較してみよう。

a.グッドイヤー社のタイヤは地面をしっかり捉えて停止距離を短くします。
b.あなたの子供の命はあなたのブレーキ操作にかかっています。グッドイヤー社のタイヤは停止距離を短くし、愛する人を守ります。

(本文より)
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記憶にとどまり易く、必要なタイミングで引き出しやすいメsッセージはなにか?
マーケターの腕の見せ所なんですね。

<本文引用>------------
マーケターの主たる仕事はブランドを買い求めやすくすることだ。そのためには他の何よりも、メンタル・アベイラビリティとフィジカル・アベイラビリティが重要だ。ブランドは、このメンタル・アベイラビリティ(ブランド想起の高さ)とフィジカル・アベイラビリティ(ブランド・セイリエンス:購買機会の高さ)の構築を競い合っているようなものだ。もちろん製品の技術革新も重要であり、それが機能するためにも顕著なブランド・セイリエンスと流通の拡充が必要だ。メンタル・アベイラビリティを獲得するためにはブランドの独自性とブランディングの確立が必要で、フィジカル・アベイラビリティを獲得するためには、地域や時間を問わず、広く深く流通していることが必須である。メンタル・アベイラビリティとフィジカル・アベイラビリティの両方を確立して初めて、ブランドは多くの人にとって買い求めやすい存在となる。(本文より)
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「メンタル・アベイラビリティ」(Mental Availability)は、「ブランド想起のされやすさ」を指す言葉です。
次のような要素で構成されるようです。
  認知度     :消費者がブランドの存在を知っているかどうか
  記憶の強度   :ブランドに関連する情報がどれだけ強く消費者の記憶に残っているか
  連想ネットワーク:ブランドがどれだけ多くの関連する状況やニーズに結びついているか

「フィジカル・アベイラビリティ」(Physical Availability)は、「商品やサービスが物理的に手に入りやすい状態」を指す言葉です。
次のような要素で構成されるようです。
  流通範囲:ブランドの商品がどれだけ多くの販売チャネルで入手可能か
  在庫の充実度:商品が品切れにならずに常に購入可能な状態にあるかどうか
  販売場所の選択:消費者が訪れる場所に商品が適切に配置されているか


<本文引用>------------
7つのシンプルなマーケティングの法則

科学の目的は、私たちの住む極めて複雑な世界化し、そこから規則性を発見し、将来を予測する力そして真実を見極めることだ。
マーケティングの世界は極めて複雑だ。そしてマーケティングの教科書は、この複雑さを克服することはできないと言って我々を欺いている。しかしこれまで考察してきたように、購買行動と販売実績を支配する規則性は現実に存在している。従って、売り上げを伸ばすブランディング構築のための競争(持続可能な売り上げ基盤構築の競争)を支えるシンプルな法則を発見することは可能だ。この競争は、ほとんど例外なく、売り上げをメンタル・アベイラビリティとフィジカル・アベイラビリティに支えられているブランド間で起きている。
以下はその戦略的ガイドラインだ。

1.ブランドのサービス/製品カテゴリー内のすべての購買客に、配荷およびマーケティングコミュニケーションの両面から継続的にリーチする。
2.ブランドの買い求めやすさを確保する。
3.3.目立つ。その過程を誤るとブランドコミュニケーションに費やす費用が無駄になる。
4.ブランドが目立ち、買いやすくなるためにも、ブランド記憶の構造を構築/刷新する。
5.独自のコミュニケーション資産を創造する。
6.一貫性を保ちながら、新鮮さと興味を失わない。
7.競合力を維持しつつ、多くの人に受け入れられる。ブランドを買わない理由を与えてはならない。

(本文より)
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「メンタル・アベイラビリティ」と「フィジカル・アベイラビリティ」をどう組み合わせるか?

本作を読んでいると
 「良いものを作って入れば売れる」
という考えだけでは、企業が立ち行かなくなる時代だということを思い知らされます。

「良いものを作る」はもちろん大切ですが、「上手に売る」というのも大切なんですね。


◆頭の中でシンクロした他の完読作品
『ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11』  
『“未”顧客理解 なぜ、「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?』
『戦略ごっこ ―マーケティング以前の問題』 
『影響力の武器 実践編』 

『新版 アフォーダンス』 
『なぜ、お客様は「そっち」を買いたくなるのか?』
『選択と誘導の認知科学』 

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■読んだきっかけ:『“未”顧客理解 なぜ、「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?』
■読んで知ったこと:メンタル・アベイラビリティとフィジカル・アベイラビリティの組み合わせ。
■今度読みたくなった作品:『ブランディングの科学 [新市場開拓篇] エビデンスに基づいたブランド成長の新法則』バイロン・シャープ他
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ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11 - バイロン・シャープ, 前平 謙二, 加藤 巧
ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11 - バイロン・シャープ, 前平 謙二, 加藤 巧











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