遺伝情報が生かされる場面とは?
2023年10月のイスラム組織ハマスのイスラエルに対するテロ行為から始まった、イスラエルとハマスの戦闘。
なかなか終わりが見えません。
2024年5月、イスラエルとハマスの戦闘に向けた交渉がエジプトで行われていましたが、戦闘休止交渉は進展がないまま、交渉団はエジプトを離れたそうです。
停戦交渉の当事者は、パレスチナ自治政府ではなくて、ハマスなんですね。
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書名:『Voice 2024年3月号』
著者:Voice編集部
出版:PHP研究所(2024.02)
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本誌はPHP研究所が発行する月刊の総合論壇誌。
本号の特集は
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特集:マネーの流れが変わった
特集:検証・学歴社会
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です。
五十嵐元道氏(関西大学教授)が寄稿する「戦争を「ポルノ」にしない覚悟」。
イスラエルもハマスもともに死者を発表していますが、どの程度まで信頼したらいいか悩ましいところです。
<本文引用>------------
――「死者の口を勝手に語らない」という指摘はテレビや新聞、そしてわれわれ雑誌を含むマスメディアの人間が、肝に銘じるべきことでしょう。昨年十月のパレスチナ自治区の武装勢力であるイスラム組織ハマスによるイスラエル襲撃以降、戦争に関するニュースがより一層増えましたが、日本のマスメディアの報道をどう見ていますか。
五十嵐 パレスチナとイスラエルの報道を見ていて頭的に浮かんだのは、「ガザ地区保健省が発表する民間人の死者数の数字は正確なのか」という問いでした。おそらく、それは私だけではなくて、世界中の報道関係者の頭にも浮かんだ疑問ではなかったでしょうか。
実際、イギリスのBBCは、「ガザ地区保健省の数字は本当に正確なのか」という問いを立てて、徹底した調査報道を行なっています。彼らが最初に調べたのが、ガザ地区保健省のデータの生成方法です。調査結果からわかったのは、保健省が病院や遺体安置所の遺体から身元を一人ひとり割り出し、リスト化しているという事実です。要するに、国連なども同意している集計方法で、民間人の死者数を算出していたわけです。とはいえ、パレスチナ側が死者のリストに嘘の人物を掲載している可能性は否定できません。
そこでBBCが次に行なったのが、ガザ地区保健省のリストに掲載された人物が本当に存在していたかを調べるための抜き打ちチェックです。その結果、嘘の身元を書いた人はほとんど見つかりませんでした。さらにBBCは、衛星写真なども活用してリストの信憑性を徹底的に調査しました。
これら複数の調査の結果、「現時点ではガザ地区保健省は死者数の水増しはしていない」との結論を下したのです。以上から何を申し上げたいかというと、欧米のメディアでは、必要であれば、これほどまでに徹底して科学的な検証を行なうということです。翻って日本のメディアはどうか。データを検証する意識がまだ弱いという私の率直な印象です。(本文より)
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凄いですね、BBC。
日本のメディアもぜひ見習ってほしいものです。
頻繁にニュースに流れると、それが人と人とのコミュニケーションでの話題となり、そこでは、個人の「意見」が交わされます。
<本文引用>------------
――そのためには、私たち一人ひとりが「想像力」を働かせることも大切になるでしょう。
五十嵐 想像力をもち、同時にその想像力を暴走させない姿勢ですね。死者をポルノグラフィ化して、あの人たちはこう思うに違いないからこの戦争は続けたほうがいい、あるいは戦争はやめたほうがいいなどと、安易に語ってもいけない。バランスのとれた姿勢、つまりは「自制心と責任感」が、現代を生きる私たち一人ひとり要求されています。(本文より)
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情報から、正しい情報を見分け、「自制心と責任感」を持った姿勢を保つ。
なかなか難しいですが、大切ですね。
「特集2:検証・学歴社会」では双子実験と遺伝研究で有名な安藤寿康氏(慶應義塾大学名誉教授)が「ニセモノの「能力主義」が問題だ」を寄稿しています。
<本文引用>------------
その成果はほぼ出尽くしている。二〇一五年に過去四○○○件近くのあらゆる双生児の類似性のデータを総まとした論文では、体の大きさや各種の臓器の疾患、細胞内での遺伝子発現の程度など、身体的、病理的、化学的形質などのあらゆる形質に関して、一卵性の類似性は二卵性を上回り、およそ三〇%から七〇%の遺伝率を示すことが雄弁に示されている(図1、2)。そのなかに認知能力や社会性、環境のつくり方のような心理的形質まで同じように含まれている。
ヒトも遺伝子の産物であり、心の働きも遺伝子がつくり出した脳活動など心身の働きであるから、それは当然のことだ。この圧倒的普遍性を見たとき、これまでに調べられていないCAの緊急時の判断能力や野球の才能でも、ほぼ間違いなく、多かれ少なかれ遺伝の影響があると類推できる。この世の中で解決しなければならない問題に対処するために発揮されるどんな能力についても、遺伝的に有能さの個人差があるはずである。だからその課題解決に対して遺伝的により有能な人が配置されることが望ましいのは言うまでもない。それが私の言う「真能力主義」である。 (本文より)
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「遺伝の影響から逃れるのは難しい。だから遺伝にあった個人個人への対応が求められる」
これが「真能力主義」ということなのかな。
話題は、能登半島地震の直後に発生した羽田空港での事故と、「全員無事避難」を実現した日航機のCAにも話が及びます。
<本文引用>------------
新年の日航機事故で発揮されたCAの能力はまさにそを具現化していたのである(ただし誤解してはいけないのは、だからあのCAの親も遺伝的に判断能力のすぐれたCAの素質をもっているとは限らないということだ。遺伝子は両親から半分ずつランダムに子に受け継がれるので、親と子の遺伝子の組み合わせは異なってくる。似ているのも遺伝だが、似ていないのも遺伝、要するに親子とはいえ遺伝的にはそれぞれ独自だということである。本稿で「遺伝的」と言ったら、それはその人の独自の遺伝的条件が反映しているという意味であり、親子で伝達されているという意味ではないということにつねに注意していただきたい)。(本文より)
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安藤氏はさまざまな著書でも繰り返し説明しているのが「遺伝のランアム性」。
高偏差値の両親から高偏差値の素質を持った子どもが生まれるのも、低偏差値の素質を持った子どもが生まれるのも、「ランダムlに発生すとということなんですね。
<本文引用>------------
と、ここまで読んだ読者は、少なからぬ戸惑いを覚えたであろう。いや、戸惑わなかったとしたら困る。要するに「あのときのCAは生まれつき優秀だったから助けることができた」と言っているのだ。こんな物言いは、ほとんどの人があからさまには聞いたことがないはず、あるいは心に思っても口にするのが憚られたはずだ。CAの事例は特殊だというなら、この特集のテーマである「学歴」に置き換えて考えてみよう。これはつまり「高学歴を得ることができるのは、遺伝的に頭のいい人たちである」「学力の低い人はもともと遺伝的に頭が悪いからだ」と言っているのだ。これを聞けば、心穏やかではあるまい。
だが学力とその結果として達成される学歴に遺伝が関わっていることも、地球が丸いのと同じくらい当たり前の事実である。たとえばわが国で東大に行くような人の多くは、子どものころから知的好奇心が旺盛で、学校に上がってもたいして苦労せずクラスで上位の成績を修め、受験を意識するようになると自発的にサビックスや鉄緑会のような受験エリート養成塾に通って、暗記などでは歯が立たない本当の頭を使うような入試問題をも知的ゲームのように楽しんで合格していく。事実上、親の受験といわれる中学受験くらいまで(児童期)は家庭環境の影響も遺伝と同程度に関与するが、高校以上になるあとは本人次第だ。(本文より)
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病気の発生確率を遺伝的にとらえようとする動きは既に始まっています。
就学、就職でも、それらが生かされるようになる日も近そうです。
◆頭の中でシンクロした他の完読作品
『Voice 2024年3月号』
『「心は遺伝する」とどうして言えるのか :ふたご研究のロジックとその先へ』
『能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ』
『日本人の9割が知らない遺伝の真実』
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■読んだきっかけ:書店店頭
■読んで知ったこと:遺伝情報が生かされる場面とは?
■今度読みたくなった作品:『Voice 2024年4月号』Voice編集部
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