『中央公論1986年9月号』

歴史教育に対する憂い。


【雑誌タイムトラベル企画】

■1986年8月の主な出来事

 主なニュース新自由クラブが解散、田川誠一を除く衆参議員は自民党に合流。

 日経平均株価18,787.40円

 ドル円レート156.05円


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書名:『中央公論19869月号』

著者:中央公論編集部

出版:中央公論新社(1986.08

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本誌は中央公論新社が発行する月刊総合雑誌。

本号の特集は

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特集:絶対多数304の徹底研究

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です。


最終ページは、397ページです。




■目次

今月の言葉   ドナルド・キーン

随筆

ダ・ヴィンチの謎   桐生操

探検と冒険   中尾佐助

みんなでやれば怖くない   戸川幸夫

夢か幻か   勝本信之助

古都税始末   柳田聖山

ソウルの空の下   山川静夫


19の春  中庸の美徳を知って   竹内均


経済摩擦の歴史的定位   大沼保昭

日本人の言語習慣を考える   木下是雄

フィリピン新政権の選択   権威主義の再構築は可能か   T・フレンド


特集 絶対多数304の徹底研究

新しい政治ゲームの幕開け   田中直毅

問われる少数野党の力量   福岡政行

東京中心の社会資本整備を   香西泰

国民は経済制度の大改革を望んでいる   竹内宏

「経構研」報告を基に国際協調路線を   宮崎勇

金融政策はまず郵貯改革から   グループJAPEC

中曽根内閣の命運を決する6人

自民党新派閥力学地図

円高下 対米政策に大転換を   シゲコ・N・フカイ

国鉄分割・民営化に異議あり   力石定一

伊藤昌哉のブーちゃんの政界フィールド “竹・中”政権こそ保守本流である   橋本龍太郎

新自ク この秋に岐路がある   山口敏夫

自民党「歴史的勝利」の解剖   佐藤誠三郎、松崎哲久

問題提起 平和の教え方への疑問   別技篤彦

日本を斬る戦争と平和についてるべきこと巨大ぞく代はこうだつ丹羽健夫

62年度大学入試はこう変わる   二羽健夫、亀井信明

社員食堂も給食から求食の時代へ   グリーンハウス副社長田沼千秋、竹内宏、猪口邦子

ドキュメント戦友会40年の残照   中澤よしお

僧兵の乱いまだ終らず   奥野哲士

知るも知らぬもニューヨーク   淀川長治

わが子の性体験を知らされた時、わたしは

先端技術はいま、ごく日常的な姿をしてHA型住宅に入り込み始めた   柏木博

アイディアは突然リンクの上に   稲田悦子、加賀乙彦

空からの歴史探訪 青春とエロスに向けて <青森県弘前市>   長部日出雄


わが友マキアヴェッリ   塩野七生

白夜 秋思の章   渡辺淳一

韃靼疾風録   司馬遼太郎

回想の事件史 皇太子妃取材合戦と浩宮妃候補   伊達宗克

ツバメの来た道   アグネス・チャン


■気になった寄稿

私は1986年の1月に共通一次試験、3月に2次試験を受けて、大学は私立、国立ともに希望大学に受かりました。

私の高校は今でいうFラン大学の予備校みたいな高校。

そんなレベルの高校で、こんなうわさが流れていました。


「無理して現役合格を狙わなくても2年浪人すれば国立大学は2つ受けられるから合格する可能性は高くなる」


正直、Fラン大学の予備校みたいな高校の一般学生が何校受けても同じだと思うのですが、ここで「合格する可能性」を持ち出してしまう。

このあたりで高校のレベルがうかがえますね。


丹羽健夫氏(河合塾進学教育本部長兼全国進学情報センター所長)と亀井信明氏(河合塾進学教育本部副本部長兼全国進学情報センター部長)が寄稿する「62年度大学入試はこう変わる――国立大学の逆襲」。


<本文引用>------------

春の国立大学複数受験体制は、ある種の夢と安堵感を受験生にあたえるかのように見えるが、実は力のない者は一つも合格を手にすることができない弱肉強食入試だ。なぜ、このような仕組みが、だれのために導入されることになったのか


弱肉強食入試


いま、来春の入試を目ざしている高三生や浪人生の間に、例年とはちがった、ちょっとしたはなやぎがある。それというのも、来年の入学試験で国立大学をめざしている受験生は、従来のワンチャンスとはちがって、二大学を選択受験できるからだ。つまり表1のように国立大学をAグループとBグループに分け、Aグループの試験を三月一日に、Bグループの試験を三月五日に実施し、受験生はそれぞれからお好みの大学を選んで受験出来るという仕組みなのだ。

予備校の京大選抜クラスでの会話(京大はAグループ)。

「おい、お前Bグループどこにする」

「そうやなあ、杜の都仙台(東北大)にするか、雪の北海道にするか、いま考えとるととや。しかし、すべり止めなら、思いきって横国ぐらいにしておくか」

関東の現役生の会話。

「君、Bグループ、横国にきめたんだろ。Aグループは」

「金沢が落ちついていて、いいとこらしいな。しかし、少し歯ごたえがありすぎるかな。安全をとって埼玉にするか」

複数受験は受験生にとって、たしかに一種の夢と安堵感をあたえてくれる。なんとなく世界がひろがったようにも思えるし、二つ受ければ合格の可能性がそれだけ高くなるようにも感ぜられる。しかし、今回の改革は、本当に受験生の甘い夢を満たしてくれるものであろうか。どの受験生も、しあわせの鍵をもらえたようにはしゃいでいいものであろうか。

答えはちょっと首をひねれば出てくる。パイ、すなわち大学の入学定員が増えるわけでは決してないのである。二回受験ということは、苛酷な表現をすれば、どの子も二回受験のチャンスはあるが、実力のうんとある子は二つの合格を手にすることが出来るが、力のない子は二回受験しても一つも合格を手にすることが出来ないのである。いわゆる弱肉強食入試だ。(本文より)

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別技篤彦氏(立教大学名誉教授)は「―教科書後進国日本―【問題提起】平和の教え方への疑問」で日本の歴史、とりわけ、近現代史に対する学生の認識を憂います。   


学生の声を引用します。


<本文引用>------------

こうした所感はただちに日本の社会科や歴史教科書とその教え方への批判につながっていく。

「歴史の授業では始めから教科書通りにやっていくので古代・中世にずいぶん時間をとられ、特に遺物の特色、その鑑別法などにくわしく、当然現代までやる時間がなくなってしまう。日本史ではせいぜい日露戦争どまり。世界史でもナポレオン時代までくらいである。現代史は入試にはあまり出ないからという理由で簡単に扱うか、または私たちに勝手に読んでおくようにいわれた。・・・・・・だいたい人間の社会が各方面で驚くべき変化を示してきたのはこと百年くらいのことであろうから、そこに教える重点をおいたらどうかと思う」(学生H)(本文より)

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これは私も同感です。

近現代史からさかのぼった方がいいくらいに思っています。


<本文引用>------------

アメリカや西ドイツの高校生に比べてなんという差異であろう。日本の高校生の知的レベルがみなこのようなものだとは思いたくないが、少なくともそこに現実への著しい知識の空白があることは否定できない。これはただひたすら戦争をタブー視して実際の授業でまともに取り扱わない結果でもあろう。また青山学院短期大学の三宅なほみ助教授によると、「中学生の戦争意識」の調査では、日本の中学生の半数は真珠湾攻撃のことを知っていなかったという(朝日、天声人語、昭六一六・二七)。何か全く片手落の教育がなされている感じである。(本文より)

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うーん、現在の保守の人たちの嘆きは、このことからもあったんですね。



■気になったCM

「見開き目次」の裏面の広告 東芝製ワアードプロセッサー「Rupo JW-R50FⅡ」

前回に続き、同じ位置をキープしています。

FDD(フロッピーディスクドライブ)内蔵で40字×4行の大型液晶表示で、本体標準価格128,000円。

早見優さんの後ろ姿が添えられています。



◆頭の中でシンクロした他の完読作品

『中央公論19869月号』


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■読んだきっかけ:【雑誌タイムトラベル企画】『中央公論19868月号』中央公論編集部

■読んで知ったこと:歴史教育に対する憂い。

■今度読みたくなった作品:『中央公論198610月号』中央公論編集部

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