『オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く』

ホームチームの大歓声と審判の判定の関係。

以前、職場の同僚二人と飲んでいた時の話。
二人とも学生時代は野球部。
一人に至っては少年野球のコーチまで務めているという大の野球好き。
話の話題が「ライパチ」になると、二人とも猛然と反論。
よくよく聞くと二人とも、ポジションが「ライト」だったようです。

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書名:『オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く』
著者:トビアス・J・モスコウィッツ、L・ジョン・ワーサイム
出版:ダイヤモンド社(2012.06)
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本作の著者は二人。
スポーツ大好きな経済学者と、データ大好きなスポーツライター。
野球、フットボール、バスケットボールといったアメリカを代表するスポーツの中に存在するデータとその見方について解説しています。

ちなみに「ライパチというのは「ポジションはライトで打順が8番」という意味。
野球チームを作った際、最も下手なメンバーの定位置とされています。
もっとも、ライトの人にとっては、とっても侮辱的な表現ですが。


さて、著者の二人。
幼なじみのようでして、まえがきで、サマーキャンプの話が出てきます。
その中でも「ライパチ」の話が出てきます。
アメリカでも共通なんですね、「ライパチ」。

さて、本作では、スポーツの記録や判定について、統計学や行動経済学の観点から掘り下げています。


「3割バッター」。
打者にとっては大事な数字です。

<本文引用>------------------------
2割9分9厘のバッターはバットを破れかぶれに振り回し、3割バッターは試合に出ようとしない。そんな調子だとどんなことが起きるか、もうあなたも想像がついているんじゃないだろうか。シーズン最後の試合が終わってみると、2割9分9厘のバッターに比べて3割バッターが不釣り合いに多いのだ。(本文より)
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3割と2割8分9厘。
たった、1厘の差をめぐって、人の行動は大きく変わるんですね。

審判と誤審の関係にも触れています。
審判の判定と、機械による判定を比較してます。

<本文引用>------------------------
言い換えると、審判は四球とか三振とかの判定をするより、打席を長引かせて選手に結果を決めさせるほうを好むようだ。 (本文より)
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審判も人間なんですね。

<本文引用>------------------------
これまで審判について書いてきたことを、心理学のレンズと、 人間は同調しやすいものだという認識を通して見直してみよう。 サッカーのロスタイムの長さは?たぶん社会的な圧力に対する反応だ。つまり観客を喜ばせたいという欲求から来るものだ。まあときどきは、自分の身の安全というのもあるかもしれない。(本文より)
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これらも、社会的压力に直面して起きる「情報的影響による同調」の結果だろう。
つまり、不確かであったり微妙であったりする状況を解消するために、観衆の反応をヒントとして使っているのである。(本文より)
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また、無観客試合のデータも取り上げ、観客がいようがいまいが選手のプレー(ゴールの枠にむかって飛ぶシュートの数、ボール支配率など)にはあまり関係がないようです。
一方で審判の誤審はぐっと減るようです。
ホームチームの大観衆が影響を与えているのは、選手というより、審判なんですね。

本作は、野球以外にも書かれています。
しかし、私自身、フットボールやバスケットボールの知識がなく、どうしても、野球の記述に目が行ってしまいました。


本作で驚いたのが、翻訳者。
経歴を見ると金融機関にお勤めのビジネスマン。
副業で書いたとは思えないくらい、私には読みやすかったです。


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■読んで知ったこと:ホームチームの大歓声と審判の判定の関係。
■今度読みたくなったもの:クリス・アンダーゼン、デイビッド・サリー『サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか』
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