『韓国消滅』

民主化という視点で見た台湾と韓国の違い。


2025年4月、韓国の憲法裁判所は、202412月に非常戒厳を宣布した尹錫悦大統領の弾劾を支持する判断を下しました。

裁判官全員一致の決定で、尹氏はただちに失職しました。

韓国政府は、尹錫悦前大統領の罷免に伴う大統領選の投開票日を6月3日とすることを決定しました。


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書名:『韓国消滅』

著者:鈴置高史(著)

出版:新潮社(2024.09)

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著者は韓国経済に詳しい韓国ウォッチャーのジャーナリスト。

韓国の現代政治を解説しています。


戦線日本と関わりが深い隣国といえば韓国と台湾。


著者は、日本敗戦後の民主化の歴史をこの2国について比較します。


<本文引用>------------

生き残りをかけて民主主義を実現した台湾。庶民は怒りから、知識人は先進国ブランド欲しさから民主化に動いた韓国。初期条件がこれほどに異なると、時間がたつに連れ民主政治の仕組みは対照的に機能した。

民主化当時、台湾は国論が二分していた。国民党の掲げる「統一」と、民進党の目指す「独立」である。だが、選挙を通じ「統一か、独立か」を国民に問ううちに「現状維持」というコンセンサスが生まれた。民主化で勝ち取った公正な選挙が国に安定をもたらしたのだ。

一方、韓国は選挙のたびに左右対立が先鋭化した。民主化を実現したと自負する左派と、経済成長は自分たちが成功させたと自賛する保守派が激しい権力闘争に陥り、退任後の大統領を刑務所に送るのが常態化した。対立する党派の政治家を誣告し、自死させる李氏朝鮮の党争の再現である。

第2章第1節で紹介した田中明氏が喝破したように、そもそも韓国の民主化とは「文人が軍人から権力をとり返した党争の現代版」に過ぎなかったのだ。(本文より)

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なぜ、そんな違いがでてしまったのか?

著者は、そこに根強い儒教思想があると指摘しています。


<本文引用>------------

欧州のアジア専門家から「台湾の民主化は着実に進展したのに、なぜ、韓国の民主主義は後退するのだろうか」と聞かれたことがある。2020年のことだ。文在寅政権が指揮権発動を繰り返したうえ、政権の腐敗捜査に乗り出した尹錫悦検事総長を辞めさせようとしていた。

筆者は即座に「儒教」を理由に挙げた。朝鮮人・韓国人は李氏朝鮮以来、儒教を国家の統治原理に採用してきた。人間の修養によって世の中を律しようとする儒教は、法律で人間を縛る法治主義と相性が極めて悪い。このため、韓国人には未だに法治意識が薄く、法治をベースに運営される西欧的な民主主義は韓国には根付きにくい―――との見方である。

これに対しては「台湾人も中国文明―――儒教に育まれてきた人々ではないか」と反論された。筆者は「日本が植民地化するまで台湾には国家らしい国家が存在していなかった。台湾人にとって初めて経験したのは日本が運営する法治国家だった。台湾には儒教国家という“悪しき前例”がなかった」と答えた。(本文より)

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日本にも儒教思想があると思うのですが・・・。


<本文引用>------------

1945年、戦争に負けた日本人が引き上げ、代わりに中国人が大陸から入って来た。それを台湾人は「犬が去って豚が来た」と評した。「法律を守れ」と口うるさい日本人と、汚職が当たり前の中国人を動物に例えて比べたのだ。

「日本だって儒教国家ではないか」との疑問も寄せられよう。確かに、江戸幕府も儒教を統治のための学問に選んだ。だが、仏教を排撃し、儒教だけを国民に刷り込んだ李氏朝鮮の徹底ぶりを知れば、日本が「儒教国家」を名乗るのもおこがましいと分かる。そもそも、江戸時代の日本は宗教的には仏教国家であり、洋学や国学など多様な学問が花開いていたのである。(本文より)

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「日本が「儒教国家」を名乗るのもおこがましいと分かる。」・・・。


そういえば、国連事務総長に韓国の潘基文(パン・ギムン)氏が就任しました。


<本文引用>------------

皮切りは外交通商部長官を務めた潘基文(パン・ギムン)氏の国連事務総長就任(2007年)だった。1991年まで国連に加盟できなかったほどに外交的な影が薄かった韓国とすれば大金星だった。

「韓国人が世界の大統領になった」と国民は大喜びし、日本人に対しても機会があるたびに誇った。筆者が首を傾げたのは相当な知識人までも「日本も努力して国連事務総長を出したらどうか」と上から目線で威張ったことだった。このポストは大国からは出さないことが慣例なのだが、韓国メディアはその事実を報じていなかったのである。(本文より)

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なんとも言えないですね・・・。



◆頭の中でシンクロした他の完読作品

『韓国消滅』

『韓国民主政治の自壊』


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■読んだきっかけ:書店店頭

■読んで知ったこと:民主化という視点で見た台湾と韓国の違い。

■今度読みたくなった作品:『米韓同盟消滅』鈴置高史

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韓国消滅(新潮新書) - 鈴置高史
韓国消滅(新潮新書) - 鈴置高史













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